私たちは、なぜ車のメンテナンスをするのでしょうか。突然の故障を防ぐため、新車当時と変わらぬ燃費を保つため、思わぬ事故を防ぐため、長距離走行前の安全チェックのため・・・など、色んな理由がありますよね。
快適なカーライフのためには、欠かせないメンテナンス。その代表格といえば、オイル交換、タイヤ交換、洗車、車検などです。ここら辺を押さえておけば、とりあえずは問題ないと思う方は多いのではないでしょうか。
せっかく車をメンテナンスするなら、愛車が長持ちするコツがわかればいいですよね。さらに、そのコツを押さえれば、愛車の状態が良いまま保たれるので、将来査定が有利になる場合があります
このメンテナンスコラムのシリーズでは、数ある車のメンテナンスの中から、カンタンに取り入れられるものをご紹介します。コツを押さえて賢くメンテナンスして、愛車の寿命を延ばすのもよし、将来の査定に備えるのもよし。ぜひご覧ください。
純正オプションとは、最初から標準装備として付いている装備や、車を構成している基本的なパーツ以外で、任意で選んで車に取り付けられる装備品のことです。メーカーによってはアクセサリーなどと呼ばれています。多くは、新車を購入する際に装着します。
純正オプションを取り付けることで、好みやライフスタイルに合った自分だけの一台にすることができます。
純正オプションには、大きく分けてメーカーオプションとディーラーオプションがあります。それぞれ詳しくみていきましょう。
メーカーオプションとは、メーカーが車を製造する過程で取り付けるオプションのことです。車体完成後の後付けが難しい装備であり、注文できるのは購入時だけです。
代表的なものに、サンルーフ、ルーフレール、シートの素材変更(本革など)、特別なボディカラーなどがあります。先進安全技術なども、メーカーオプションに含まれているモデルもあります。
ディーラーオプションは、車の製造後に販売店で装着するオプションです。メーカーオプションとは違い、購入後しばらくしてからの追加依頼も可能です。
代表的なものに、フロアマット、シートカバー、ドアバイザー、エアロパーツなどがあります。
純正オプションのような、純正パーツが取り付けられている場合、将来の査定で価値が高まる期待が持てるでしょう。その中でも、新車の注文時にしかオーダーできないメーカーオプションは、生産ラインで装着され、あとから取り付けることができないという理由から、高評価につながる可能性が高いのです。新車購入時は、メーカーオプションを慎重に検討したいものですね。
純正オプションには、デザイン性・安全性・利便性など、メリットの多いものが多種多様に取りそろえられていますよね。クルマを自分の好みの仕様にするため、自由に選択できるのがオプションの魅力といえます。では、実際に、どのようなオプションが役立つのか、何を選べばよいのか、迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで、意外と知らないおすすめオプションをご紹介します。オプション選択の参考にしてください。
最近の車は、フロントガラスと運転席、そして助手席のサイドガラスには、UVカットガラスが標準装備されていることが多いですよね。
ここでおすすめするのは、スーパーUVカットガラスやIRカットガラスです。
標準装備のUVカットガラスは各メーカーで色々ありますが、紫外線を約90%カットするというものです。それに対して、スーパーUVカットガラスは紫外線を99%カットできるというものです。乗員を紫外線から守る効果のほか、ダッシュボードなどの内装部品の経年劣化を抑える効果があります。
また、IRカットガラスは赤外線を緩和して、直射日光から伝わるジリジリとした暑さや、車内温度上昇を抑制する効果が高くなります。
このオプションは、設定のある同一車種の中でも、グレードによって選択できない場合もあるので、販売店とよく相談しましょう。
気になるお値段は、5万円前後です。他の快適装備部品とセットオプションとしてオーダーできることが多いようです。あとから、やっぱり遮熱効果の高いガラスにすればよかった!と思っても、できることではありません。近年の猛暑ぶりを考えても、十分に検討する価値がありそうですね。
純正オプションとしてのアルミホイールは、メーカーオプションと、それとはデザインの異なるディーラーオプションのものが、それぞれ用意されていることがあります。
車の足元のドレスアップは、想像以上に車の印象を変え、走行性能も上がり相乗効果があります。
メーカーオプションのものは、標準装備されるタイヤの代わりに装着されるので比較的安価で装着できます。
ディーラーオプションを選択する場合、メーカーから販売店までは標準仕様で運ばれたあと、ディーラーオプション仕様の、サイズの異なるタイヤ&ホイールへ履き替えるため、知らないうちに余計なコストがかかることになります。
ステアリングは運転中、常に触れる部品であるため、より質の高いものにすることで複数のメリットがあります。
本皮巻きステアリングは、一般的なウレタンステアリングより若干太く、革の質感により微振動が軽減されて長時間ドライブの疲れがより軽くなります。
また、長期にわたって使用しても、表面がツルツルになったりテカリが生じたりする経年劣化が比較的目立ちにくいです。
注意ポイントは、ハンドクリームをつけた素手でハンドルを握る場合、質によっては表面の皮素材を剥離させてしまうことがあることです。心当たりのある方は、適時にハンドルを拭くなどのケアをおこない、取り扱いに注意しましょう。
雨や雪などの悪天候にかかわらず、走行中でも窓を少し開けることで、効率的に車内の空気を入れ替えて換気できるメリットがあります。
また、目線の位置である横からの日差しを防ぐ効果もあります。
最近の車には、一般的に「パンク修理キット」と呼ばれるツールセットが、パンクに備えて付いています。その内容は、タイヤの接地面にエアー漏れが生じた際に空気の抜けを抑える液剤と、簡易的なエアー注入コンプレッサーです。
一昔前は、トランクルームの底にスペアタイヤが積んであるのが一般的でしたが、使用する機会の少なさや、トランクの収納力アップ、軽量化などを優先させて、スペアタイヤを積まないようになりました。
しかし、トラブルは突然やってくるもの。パンク修理キットでは応急処置できない、もしくは修理の効かないパンクの発生、という事態はちょっとしたミスで起きるものです。
そんなときに、専用のスペアタイヤがあれば救われます。タイヤをご自身で交換できない場合でも、救援する方がいれば、なんとかなりますよね。
利便性だけでなく緊急時に備えたスペアタイヤの装備は、1万円ほどで、メーカーオプションで選択することができます。
そもそも、寒冷地仕様というオプションが存在することをご存じでしょうか。このオプションは、豪雪地帯や北海道・東北地方などの極寒地に向けたオプションのように感じますが、実は魅力が多いのです。
その名の通り、寒冷地での使用を想定しての特別装備内容は、外から内部まで、さまざまな装備が特別仕様になるオーダーメイド感のあるパッケージです。
「特に寒冷地に住んでないけど?」という方にもおすすめの特別仕様を3つご紹介します。
後部座席の足元(つまり運転席や助手席の下)に温風の吹き出し口があり、暖房を使用する季節の後部席の方に重宝されます。
通常、ヒーターを使用する場合、基本的に足元へ温風を出す設定になります。そうなると、前席の乗員はしっかりと温かさを感じますが、後席はいつまでも足元が寒くて温かさを感じにくいのです。そんなときの救世主が、この後部席ヒーターダクトです。
新車時にしかオーダーのできないメーカーオプションですので、後席にご家族を乗せる方は要チェックです。
なお、ミドルクラスのセダンやミニバンのほか、4WDを選択した場合は最初から装備されているので、購入前に確認してみましょう。
サイドミラー(ドアミラー)の鏡面に熱線ヒーターが入り、くもりを除去できます。都市部でも、トンネルに入った際に一気に曇るということがありますので、その対策としても、とても便利なアイテムです。
前席のシート座面にヒーターが入り、始動直後の温風が出てこない時でも瞬時に冷えた体を温められます。車両によって、前席だけシートヒーター搭載、もしくは後席も含めた全席搭載の場合があります。これも、後席にご家族を乗せる方は要チェックです。
寒冷地仕様で、そのほかに装着される特別装備には、
・ワイパーデアイサー(ワイパーについた氷を溶かすガラス表面の熱線ヒーター)
・強力なスターターモーター(低温でも問題なく車のエンジンを始動させるモーター)
・強力なワイパーモーター(雪の重みがあっても動作するワイパー)
・大型バッテリー
・濃度の高い冷却水(−35°でも凍らない仕様)
など、寒冷地での使用を考慮した、さまざまな工夫がされています。
なお、スバル車やマツダ車は、この寒冷地仕様というオプションを用意せず、すべての車種で同様の性能を保つ装備になっているようです。
メーカーや車種によっても内容が異なることがあるので、気になるオプションがあれば、購入時に相談して検討してみてはいかがでしょうか。
社外品とは、車両メーカー以外の会社が作った部品や装置などのことです。市販品ともいいます。カー用品店や町の整備工場などで販売されています。
購入店で取り付けを依頼することもできますし、自分で取り付けることができれば、部品代だけで済みます。
クルマ好きなオーナーの中には、愛車に高価なアルミホイールや、最新型のカーナビへの付け替えなど、後付けしたパーツにお金をかけた、という方も少なくないでしょう。自分好みのクルマに仕上げるためには、社外パーツは貴重な選択肢の一つですよね。
社外品を取り付けるなら、外した純正パーツは大切に保管しておくことをおすすめします。
車検対応の社外パーツを取り付けている場合でも、確実に車検を通すために純正パーツに戻してから車検を受ける場合があります。そのような場合に備えるという意味で、純正パーツを残しておきましょう。
愛車にどんなにお金がかけられていようと、それが必ずしもプラス査定につながるわけではありません。場合によっては、純正パーツ装着時よりも査定額が下がることもあります。
また、車検非対応の社外パーツが取り付けられていると、買取ってもらえないということもあります。やはり、純正パーツは残しておきましょう。
車を売却するときに、社外パーツはそのままつけておいた方がよいのでしょうか。それとも外して、純正パーツに戻しておいたほうがよいでしょうか。
社外パーツは、オーナーのこだわりで選ばれた商品で構成されていて、個性が強く主張されます。また、損傷や交換の際に、同じ商品が流通しているかどうかといった不安面もあります。よって、査定時にプラス査定されるケースが少ないといえます。一般的に、多くのユーザーは純正品を好むことが多いため、趣味性が強い車になるほど減点査定の対象になります。
しかし、査定で不利な面を意識して取り外すと、取り付けた跡が残ったり、塗装色の日焼け具合で周辺の色との差が出てしまったりと、かえって見た目を悪くしてしまうことがあります。
そういう意味で、社外パーツを無理に取り外してしまわずに、まずはそのままの状態で査定してもらうことをおすすめします。もしもの時のために、大切に保管していた純正パーツのご準備もお忘れなく。
いかがでしょうか。今回は、オプションについてご紹介しました。純正オプション、社外品、それぞれ違う魅力がありますね。
純正オプション品や社外品の有無は、車の査定時に必ずと言っていいほどチェックされるポイントです。
快適なカーライフのためにも、この記事で紹介したコツを押さえて、楽しく賢くオプション品を装備しましょう。10年後の査定に泣くか、笑うか、あなた次第です。
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